このような内容はトレーニング初心者やウェイトを扱ったことのない方では特別珍しくない意見かと思います。
しかし、自重運動は本や動画を見様見真似で行うには少々難しい部類の運動だと思える点もあります。使い方、考え方によっては自重のみでの運動よりも、ウェイトトレーニングの方が初心者向きであると言えます。
今回はその理由と比較についてお話したいと思います。
目次
ウェイトトレーニングは自重運動よりも簡単な理由とその比較
初心者にもお勧めできる簡単な理由と、ウェイトトレーニングと自重運動の2つの比較に分けて説明していきます。
- ウェイトトレーニングは自重運動よりも簡単な理由
- ウェイトトレーニングと自重運動の比較
ウェイトトレーニングは自重運動よりも簡単な理由
自重運動よりもウェイトを扱ったバーベルやダンベルなどの運動が初心者向きである理由について項目ごとに説明していきます。
- 数値化できる
- 適切な負荷量を細かく設定できる
- ごく僅かな負荷量の増減も可能
- 再現性が高い
数値化できる
まず、「数値化できる」というのが自重ではなく道具を使った運動全般に言えることです。
自重のみを扱った運動では基本的に数値では表せずに自身の体重によって最低限選択できる負荷量も、最大限かけられる負荷量も個人の体型によって決まってしまいます。
そして、自重運動では負荷量を基本的に数字にすることができません。そのため、運動や身体の構造を理解されている方が指摘や指導を行わないとなかなか習得は難しいと言えます。
ウェイトトレーニングではできた重量、できなかった重量が一目でわかりますよね。
これは運動習慣を身に着けるにあたっても有利に働くのですが、
「以前よりも重い重量を上げられるようになった」
「強くなった」
と客観的に数値で見えるため自信がつき、モチベーションのアップにもなるかと思われます。
いつまでも同じ重量や、同じ内容では、
「本当に効果出てるのかな・・・」
「前より上手になったと他人から褒められるけどいまいち実感が沸かない・・・」
といった悩みを回避し、運動を継続しやすいところが初心者にお勧めできる理由となります。
適切な負荷量を細かく設定できる
例えば「体重が100kgある人が腕立て伏せを行う」場合、初心者や運動不足であるにも関わらず100kgの負荷量からスタートすることになります。それができなかった場合…「腕立て伏せ」という種目を選べなくなってしまいます。
膝をついたり身体の角度を変えれば実行は可能かもしれませんが、その方のギリギリできる負荷で、身体の角度、腕と足までの支点の距離の設定をトレーニング初心者の方が果たしてできるでしょうか?
負荷が重すぎれば実行不可能ですし、軽すぎてはそもそも効果が薄くなってしまいます。
ごく僅かな負荷量の増減も可能
運動というのはできるようになったら、どんどん負荷量を上げてレベルアップさせていく必要があります。
仮にその運動を継続することができたとしても同じ内容ばかりでは成長はなかなか見込めなくなります。
その場合、効率的に効果を出し続けるためには、極僅かな負荷量のアップを細かく行うことが必要になります。
しかし、支点の距離、重心位置を変化させることで負荷をコントロールするのですが、これをトレーニング初心者個人で調節するのは恐らく難しいでしょう。
再現性が高い
数値化できるので前回行った重量を覚えるなり、メモしておくことで前回行った負荷量を簡単に設定することができます。
対して、自重運動では、前回のメモを取るのはなかなか難しいのではないでしょうか?
手っ取り早く記憶するには動画撮影といった手段が上げられますが、運動初心者本人が自身の動画を見直して前回との比較をできるのかというとなかなか難しいのではないでしょうか。
ウェイトトレーニングと自重運動の比較
おおまかに今までの内容を要約した表が以下になります。
数値化 | 負荷量の細かい設定 | 再現性 | 継続のしやすさ | |
ウェイトトレーニング | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
自重運動 | × | △ | △ | △ |
とは言え自重運動も優秀なトレーニング
ここまで、「ウェイトトレーニングはイメージよりは簡単ですよ~」ということを伝えたくて少々極端な比較をしてしまいましたが、私自身、利用者様へ運動を処方する際に自重運動を教えることは少なくはありませんし、むしろ好んで使用します。
自重運動を否定しているわけではなく、パフォーマンスの向上、機能向上を目的とする場合には自重を扱った運動は必須と言えます。
しかし、自重運動を「一度説明しただけで次回から一人で継続可能か?」というと、なかなか難しい物だと考えています。
自重運動はその特性上、
- トレーニング初心者が一人で運動を継続する
- トレーニング初心者が一人で効率的に成果を出す
には不向きだと考えています。
基礎知識があったり、指導を受けられる環境では絶大な効果を発揮します…が、運動初心者の方が本をかじったり、動画で真似をするのでは負荷量の調節や、成長しているのか、変化があるのかを確認する目安が乏しいので、イメージよりは難しい運動であるのが自重運動の特徴ではないでしょうか。
また、道具を使った運動は負荷量を上げるだけでなく、簡単にする、アシストすることもできるので、次回はそちらにも触れていこうと思います。