当初はやる気に満ちているにもかかわらず、三日後にはやる気がなくなっている…なんて経験はないだろうか?
なぜ三日坊主が起こるのか?
ここではこれについて掘り下げて考えてみよう。
目次
3日坊主はなぜ起こる?心理的理由
「三日坊主」を何度も繰り返すと「いつも中途半端でよくない」「持続力がない」などと自分を責めたくなることもあるだろう。
しかし、実はこのような三日坊主のパターンは人の脳の特性からきているものともいえ、誰もが陥りやすいパターンなのだ。
では、どうしてこのようなパターンをたどってしまうのだろうか。
誰しも、新たに運動をはじめたての頃は「頑張って成果をだそう!」という意志力が続く。
しかし、3日目を過ぎた頃になると、だんだん面倒になり「このトレーニング内容で本当に綺麗になれるのだろうか?」「このダイエット法で本当に痩せられるのだろうか?」「たいした成果は出ないのでは?」という思いがよぎり、徐々にジムへ足を運ばなくなったり、運動を辞めてしまう。
この背景には「現状維持バイアス」という心理が作用している。これは「何か新しいことをすると損をしてしまうかもしれない」という不安から、現状を維持しようとすることを指す。
そして「現状維持バイアス」は強固なものだ。人には「損失を避けたい」という気持ちがものすごく強くあり、利益と損失の両方が目の前に差し出された場合でも、利益を得ようとするより損失を避けようとする行動に出るほうが多い。
例えば
- (A)今すぐ◯◯へ行って手続きをすれば、1000円の金券をプレゼントしてもらえる
- (B)今すぐ◯◯へ行って手続きしないと、銀行口座から1000円引かれてしまう
あなたなら必ずどちらかを選ばないといけない時に、どちらを選ぶだろうか?
どちらを選んでも損はしないが、(B)を選ぶ人のほうが多いのだ。それは「損を避けたい」という気持ちのほうが強く働くからであり、このように、人には「損を避けたい」という心理が強く働く傾向にある。ゆえに「現状維持バイアス」はより強固なものとなる。
「現状維持バイアス」とは「何か新しいことをする」と「損」をしてしまうかもしれないという不安から、現状を維持しようとする心理状態を指す。
人には「損失を避けたい」という気持ちがものすごく強くあり、利益と損失の両方が目の前に差し出された場合でも、利益を得ようとするより損失を避けようとする行動に出るほうが多い。
【習慣化】運動習慣を身に着ける方法とは?
三日坊主の原因でもある「現状維持バイアス」の対策として、「成果を出そう」という気持ちを減らすことが重要になる。
例えば、「5分だけストレッチをする」というような低い目標設定をする。
これなら「損した」気持ちにはならない。それができてその先に進めれば、その日は「現状維持バイアス」に勝てたといえる。
また、「中途半端で嫌だ」という気持ちを生かすのも有効な対策だ。「準備運動をしたのだからもう少し負荷の強い運動をしてみようかな…」「疲れたから残り半分は明日にまわそうかな…」というように次のやる気を運んでくれるだろう。
また、損をするかもしれない可能性は新しいことをやった時だけではない。
- (A)運動(新しいこと)を「始めた」がゆえに生じるかもしれない損
- (B)運動(新しいこと)を「始めなかった」がゆえに生じるかもしれない損
AとBの2つがあるが、「現状維持バイアス」があると、後者の大きな「損」を見逃してしまっているケースは良くある話だ。
新しいことへの挑戦は幸福度の上昇や、ストレスを緩和する効果もあり、新たに運動を始めることは、身体の健康以外にも数多くのメリットがあると言える。