健康管理のための摂取カロリー制限は広く行われており、近年では食事する時間を制限する健康管理法も話題になっています。
そんな中、「マウスを用いた実験によって、食事の頻度を減らすと寿命が延びることが判明した」とする研究結果が報告されています。
これまでの研究によって、カロリー制限が糖尿病の症状改善や老化の悪影響の緩和に役立つことが明らかになっています。
目次
「カロリーの制限」と「食事頻度」の変化が身体に及ぼす影響
実験内容
「摂取カロリーの制限」と「食事頻度の制限」がマウスに与える影響が調査されています。
以下の4つのグループに分けて、健康状態の変化や寿命の違いを比較されています。
摂取カロリー | 食事頻度 | |
---|---|---|
① | 制限なし | 制限なし |
② | 30%減 | 制限なし |
③ | 制限なし | 1日1回 |
④ | 30%減 | 1日1回 |
実験結果
実験の結果、カロリーと食事頻度の両方を制限したマウスでは「血糖値コントロール能力の改善」「脂肪からのエネルギー産生の効率化」「老年期の虚弱からの保護」「寿命が他のグループよりも長い」といった変化が観察されました。
しかし、カロリー制限のみを行い食事頻度を制限しなかったグループではこれらの変化は観察されませんでした。
さらに、カロリー制限を行わず食事頻度だけを制限したグループでも「血糖値コントロール能力の改善」「脂肪からのエネルギー産生の効率化」が観察されたようです。
また、カロリーだけを制限したグループは、「血糖値コントロールの改善」は観察されたものの、カロリーと食事頻度両方を制限したマウスと比べて約8か月早く死亡したようです。
【まとめ】「カロリーの制限」と「食事頻度」の変化が身体に及ぼす影響
摂取カロリー | 食事頻度 | 結 果 | |
---|---|---|---|
① | 制限なし | 制限なし | |
② | 30%減 | 制限なし | 血糖値コントロールの改善 ④と比べて約8か月早く死亡 |
③ | 制限なし | 1日1回 | 血糖値コントロール能力の改善 脂肪からのエネルギー産生の効率化 |
④ | 30%減 | 1日1回 | 血糖値コントロール能力の改善 脂肪からのエネルギー産生の効率化 老年期の虚弱からの保護 寿命が他のグループよりも長い |
これらの結果から、研究チームは「カロリー制限の利点を最大化するには、食事頻度の制限が必要である」と結論付けています。
また、今回の結果を踏まえて次のステップとして、マウスにおいて明らかになった食事頻度制限の有効性が人間にも適用できるかどうかを知る必要があります。
食事頻度の制限が健康の主な推進力である場合、それを取り入れた食事療法を研究する必要があることが示唆されました。
しかし、マウスの平均寿命は約2年で、人間の平均寿命は約80歳です。
今回の研究結果が人間の寿命に役立つかどうかをテストするには、50年以上の研究期間を要すると予測されます。
また、以上の結果より、「ダイエットの主流であるカロリー制限だけ」では、脂肪燃焼の効果を得られないばかりか、寿命まで縮めてしまうリスクを秘めているようです。
そして、別の研究でも摂取カロリーと肥満との関連性はないと結論付けられていることから、最も重要なのは食事の頻度。
要するに、健康で長く生きたいのなら、適度なファスティング(断食)が必要不可欠ということでしょう。