生活習慣病といわれ、心臓病や脳卒中といった循環器病の危険因子でもある高血圧。
「血圧が高いですね…お薬出しておきますね」
「血圧の薬は一生、飲み続けないといけません」
このようなやり取りを聞いたことがある方もいるかと思われます。
しかし、高血圧は安易に薬に頼らなくても、運動によって改善する可能性があるのをご存知でしょうか?
高血圧の発症メカニズムと、運動による改善効果の紹介の他、医療現場で主流になっている薬物治療のリスクについて見ていきましょう。
目次
高血圧の発症メカニズムに「脳」が関わっている
「脳」が運動と健康にどのように関わっているかについて、研究を進められています。
交感神経の働きが活発になると、血管が収縮して血液の流れが悪くなります。実は、交感神経の働くメカニズムは、高血圧が発症する原因の一つでもあることがわかっています。
つまり、高血圧の発症には、運動時の血液循環調節(使っている筋肉の血圧が自律神経により上昇する)と同様、「脳」が深く関わっています。
高血圧の予防・改善には運動が良いと言われますが、なぜ運動が高血圧を予防し、改善するのか?
高血圧の発症には、「遺伝的要因」と、ストレスのような「環境的要因」があると言われています。
高血圧の「遺伝的要因」はトレーニングで抑えられる
このうち、遺伝的要因の一つに挙げられるのが、脳の中の血圧をコントロールする中枢で起きる炎症反応です。この炎症反応は、運動やトレーニングによって抑えられることが、研究により分かってきています。
「ストレス」による高血圧の8割は運動習慣で改善される
また、環境的要因としてよく知られているストレスも、脳の働きと深く関わっています。最近の研究から、慢性的なストレスで扁桃体において血圧を調整する遺伝子発現パターンが変わること、さらに、運動習慣によってその約8割が正常に改善されることが明らかになっています。
ストレスそのものにも効果があるとされ、快楽ホルモンであるドーパミンや、興奮ホルモンのアドレナリンなどが作用して、集中して行われる適度な運動はストレス解消に効果的と言われます。
また、運動習慣を身に着けることで、運動やトレーニング中に分泌されるコルチゾール(ストレスホルモン)に身体が耐性を身につきます。つまり、運動をすると、ストレス自体にも強くなることが知られています。
例えば・・・人から悪口や陰口、職場でのモラハラやパワハラに合った際に、「普段やっているスクワットや、ベンチプレスの苦痛や疲労感(ストレス)に比べたら、こんなのストレスは些細なことだよね…」と、メンタルのダメージも軽減されるでしょう。
そこで、運動が扁桃体を介して交感神経を抑制し、血圧上昇を抑えるのではないかと、さらに研究が進められています。
運動・トレーニングによる循環器系の改善効果
運動により血液循環が良くなります。
運動や、トレーニングによる一時的な血圧上昇と、血流が勢いよく流れることで、血管内壁にこびりついたコレステロールなどの異物を洗い流してくれます。
つまり、高血圧症の他、高コレステロールなどにも効果が認められています。
これにより、高血圧や、脳梗塞、脳出血などの血管の病気の予防になります。
また、運動や、トレーニングにより生じる乳酸(疲労物質)は脳への負荷刺激となり、認知症の予防にも効果があることが注目されだしています。
また、高血糖に関しても、運動によりインスリン(血糖値を下げるホルモン)と同じ働きをもった物質が分泌され、血糖値を正常化させることが知られています。
高血圧を薬で抑え込むリスク
高血圧症と診断がくだると、大抵の場合は血圧を下げる薬が医師より勧められます。
しかし、血圧を安易に下げれば、脳出血は予防できるかもしれませんが、血行が悪くなり、血栓はできやすくなり、脳梗塞や、認知症のリスクは上がってしまうのではないでしょうか?
現に、高血圧の診断基準が緩くなった2000年以降には、それまで脳梗塞<脳出血だった患者が反転して、脳梗塞患者が増加傾向にあります。
また、筋肉に力を入れたり、各種臓器が働くのにも血液供給、つまり血圧上昇が必要になります。
薬物により、筋肉を含む各種臓器の機能を低下させてしまうリスクを秘めているかもしれません…。
検診を受けさせられ、症状はないが原因不明の高血圧が見つかる……
そして、とりあえずの降圧剤(薬)が処方され…
運動機能の低下
消化器系の機能低下
循環器系の低下
…しかし、多くの人たちが口を揃えて言うのは、健康で長く生きたい、不健康で長時間生活するのは不本意・・・いわゆる「ピンピンコロリ」をよく耳にします。
これは不健康の状態で長生きしても嬉しくない、健康な状態で天命を全うしたいという事を表現した言葉です。
健康で長く生きるを望まれる場合は、薬物の過剰摂取は本人が望む物とは違うのではないでしょうか?
受動的にお薬を飲んでいる方はそれは知って、医療の受診をしているのでしょうか?
医療にかかったからといって寿命が必ずしも延びることはありません。
”病院がたくさんある地域と、病院が少ない地域では、後者の方が寿命が長い”といった研究データも存在するようです。
つまり、最悪の場合、健康寿命は縮むことさえあるということです。
医療と健康は似て非なるもの・・・日本では予防に医療保険は適応されません。自らの努力と日々の心がけが重要となります。
何にせよ、まずは運動習慣を身に着けるのがリスク回避への第一歩というのは間違いなさそうですね!!